iPhoneとAirPodsを使っていれば、ステレオ音源でも「ステレオを空間化」を使用することによって空間オーディオを楽しむことができます。
空間オーディオは、まるで映画館のような3Dオーディオを楽しむことができる機能です。
この記事では、iPhone 16+AirPods 4で実機検証を行い、「ステレオを空間化」の対応デバイスや設定手順、Apple MusicやYouTubeといったアプリでの使い方を詳しく解説していきます。
「ステレオを空間化」を使えば、簡単に空間オーディオを楽しむことができるので、ぜひチェックしてみてください。
ステレオを空間化とは?

ステレオを空間化は、iOS 15で追加されたステレオ音源を空間オーディオに変換してくれる機能です。
ソフトウェア側で空間オーディオ化の処理を行い、頭の動きに合わせて音の聞こえてくる位置が変わり、ドルビーアトモスのような没入感を体験できます。
映画や音楽があたかも画面の正面から鳴っているかのように感じられるのが、ステレオを空間化によって利用できる空間オーディオの特徴です。
パーソナライズされた空間オーディオ
iOS 16では、Face IDなどで使用しているTrueDepthカメラを利用し、耳の形をスキャンし、その人に合った空間オーディオを再生する、「パーソナライズされた空間オーディオ」が追加されました。
設定アプリから設定ができ、両耳の形をスキャンすることによって、プロファイルが作成され、ステレオを空間化でも自動的に適用されます。

作成されたプロファイルは、他のiPhoneやiPadにも共有されます!
「パーソナライズされた空間オーディオ」を設定することで、ボーカルが中央から聞こえる感覚や楽器の前後関係がより自然になります。
なお、TrueDepthカメラを利用するため、Face IDを利用できるiPhone X以降でないと設定ができないため注意が必要です。
ステレオを空間化のメリットとデメリット
ステレオを空間化のメリットは、空間オーディオ化されていないコンテンツでも、まるで映画館のような立体音響を手軽に体験できるところです。
Apple Musicの通常ステレオ曲やYouTube動画でも、コントロールセンターでワンタップするだけで音場が広がり、頭の向きに合わせて音の聞こえる位置が変わってきます。
一方で、ステレオから空間オーディオに変換する処理が増えるため、バッテリー消費は通常再生より少しだけ上がることがデメリットです。
対応デバイスと OS
ステレオを空間化を利用するには、対応したiPhoneやAirPodsを使う必要があります。
ここでは、ステレオを空間化を利用するのに必要なデバイスとOSを紹介します。
iPhone・iPad・Mac
対応モデル | OS | |
---|---|---|
iPhone | iPhone 6s 以降 iPhone SE(第1世代以降) | iOS 15以降 |
iPad | Pad (第5世代) 以降 iPad Air (第2世代)以降 iPad mini(第5世代以降) iPad Pro 9.7インチ iPad Pro 10.5インチ iPad Pro 11インチ iPad Pro 12.9インチ iPad Pro M4 | iPadOS 15以降 |
Mac | Apple Silicon搭載Mac | macOS 12 Monterey以降 |
※パーソナライズされた空間オーディオを使うには、Fece IDを搭載したiPhoneでのみ利用可能です。
ステレオを空間化を利用するには、以下のOSに対応したiPhoneやiPad、Macが必要です。
また、Macに関しては、Intelチップを搭載したモデルは対応しておらず、Apple Silicon搭載モデルが必要になります。
なお、「パーソナライズされた空間オーディオ」を利用するには、Face IDを搭載したiPhone X以降、iPad Pro 11インチおよび12.9インチ(第3世代以降)、M4モデルが必要です。
AirPods・Beats
対応ヘッドフォン | チップ | |
---|---|---|
AirPods | AirPods 3 / 4 AirPods Pro (全世代) AirPods Max | H1 / H2 |
Beat | Beats Fit Pro Beats Solo 4 Beats Studio Pro Powerbeats Pro 2 | H1 / H2 |
AirPodsやBeatsについては、H1チップ以降を搭載したモデルが対応しています。
もし、対応したモデルを使っていても、ステレオを空間化を利用できない場合は、ファームウェアの更新が必要です。
ファームウェアの更新は手動で行えないため、充電するなどして自動でファームウェアアップデートを行うまで待つ必要があります。

ファームウェアアップデートは自動で行われます。
なお、AirPods 第2世代はH1チップを搭載していますが、空間オーディオには非対応なので注意が必要です。
ステレオを空間化の設定手順
対応したモデルを使用していれば、ステレオを空間化を使用することができます。
1)まずはいつも通りAirPodsやBeats製品を装着し、iPhoneに接続をします。
2)接続ができたら、Apple Musicなど、いつも聴いているステレオ音源の音楽などを再生します。
3)再生を開始したら、コントロールセンターを開き、音量バーをタップします。
4)設定画面の右下に、「ステレオを空間化」という項目があるので、タップして「固定」または「ヘッドトラッキング」を選択します。
「固定」と「ヘッドトラッキング」の違いは以下の通りです。
好みの方を選択し、以下のように有効化できたら設定完了です。

いつもと音がかなり違うのがわかると思います。
アプリごとの使い方
ステレオを空間化は、Apple Musicだけでなく、ステレオ音源を再生するほとんどのアプリで対応しています。
ここでは、Apple Music、YouTube、Amazon Prime Videoのそれぞれで、ステレオを空間化を使う方法を紹介していきます。
Apple Music
Apple Musicでステレオを空間化を使用するには、先ほど紹介したのと同じように、AirPodsを装着した状態でステレオ楽曲を再生します。
コントロールセンターから音量バーをタップすると、ステレオを空間化のボタンが表示されます。
固定かヘッドトラッキングを選択することによって、いつも聴いているステレオ音源の楽曲が空間オーディオで再生することが可能です。
なお、空間オーディオに対応した楽曲では、ボタンの名前がステレオを空間化から「空間オーディオ」に変わります。
YouTube
YouTubeについてはアプリでもブラウザでも、ステレオを空間化を使うことができます。
AirPodsを装着し、動画を再生した状態でコントロールセンターを開き、音量バーをタップします。
同じようにステレオを空間化のボタンが表示されるので、Apple Musicなどと同じように、固定かヘッドトラッキングを選択することで使用できます。
ヘッドトラッキングはフルスクリーンでもピクチャーインピクチャーでも使うことができ、さまざまな再生方法で使用することができます。
Amazon Prime Video
Amazon Prime Videoでは、作品ごとに音声フォーマットが異なります。
ステレオ音源の作品では、同じようにコントロールセンターの音量バーから、ステレオを空間化の設定をすることが可能です。
一方、Dolby Atmosに対応した音源の作品では、再生と同時に空間オーディオが適用され、設定ボタンの名前が「空間オーディオ」に変わります。
この状態でも、固定とヘッドトラッキングは自由に切り替えることができ、これまで紹介してきた方法と同じように利用することができます。
まとめ|ステレオを空間化で手軽に空間オーディオ体験

今回はステレオ音源でも空間オーディオで楽しむことができる、「ステレオを空間化」の対応デバイスや設定方法を紹介してきました。
iOS 15以降を搭載したiPhoneやH1チップ以降を搭載したAirPodsがあれば、気軽に空間オーディオを楽しむことができます。

気軽に体験できます!
設定方法も簡単で、コントロールセンターの音量バーから「ステレオを空間化」を選択し、固定かヘッドトラッキングを選ぶだけです。
固定なら音が常に同じ位置に留まり、ヘッドトラッキングに切り替えれば頭の動きに合わせて音の聞こえてくる位置が変わります。
Apple MusicやYouTube、Amazon Prime Videoのような主要アプリでも全て同じ手順で使うことができるため、まずはいつも聴いているコンテンツでステレオを空間化を利用し、ステレオとの違いを体験してみてください。
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